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修士論文の後半で多くの人が混乱するのが、DiscussionとConclusionの違いだ。
「どちらも結論じゃないの?」という感覚は理解できる。しかし、この2つは役割がまったく異なる。そしてこの違いを理解できているかどうかが、論文の質を大きく左右する。
Discussionとは何か
Discussionは「発見した事実を意味づけするセクション」だ。
Findings(発見)セクションで「何がわかったか」を示したとして、Discussionではそれが「何を意味するのか」を論じる。
この結果は先行研究と一致するか、それとも矛盾するか。なぜこのような結果になったと考えられるか。この発見は理論的にどんな意味を持つか。実践(practice)にとって何を示唆するか——こうした問いに答えるのがDiscussionだ。
Conclusionとは何か
Conclusionは「論文全体を締める」セクションだ。
Discussionが個々の発見を掘り下げるのに対し、Conclusionは俯瞰する。研究課題(Research Question)に対する直接の回答、研究全体の貢献(contribution)のまとめ、研究の限界(limitations)の再確認、今後の研究課題(future research)の提示——この流れがConclusionの骨格だ。
2つの違いを一言で
Discussion :「データが語ること」の解釈と議論
Conclusion :「論文全体が語ること」のまとめ
Discussionは動的で、異なる視点を並べながら議論が展開する。Conclusionは静的で、研究者としての立場を明確に述べる。
よくある失敗
DiscussionでConclusionを書いてしまう :「以上から、〇〇であると結論づけられる」という文をDiscussionの各段落に入れてしまうパターン。DiscussionはまだConclusionに至る前の議論の場だ。
ConclusionでDiscussionをやり直す :新しいデータや新しい分析を持ち込むのはNG。Conclusionは論文内ですでに展開した議論の着地点だ。
Introductionのコピー :Introduction で「この研究は〇〇を検討する」と書いたことを、Conclusionで「この研究は〇〇を検討した」と過去形に変えて貼り直すだけになる人がいる。Conclusionは「結果として何がわかったか」を書く場所だ。
「So what?」という問い
「展示の評価レポートで一番読まれるのは『So what?』のセクションだ」——これは博物館現場でよく言われる言葉だ。
「だから何?」——この問いへの回答が、DiscussionとConclusionに求められていることだ。データを集めた、分析した、それで?という問いに答えることが、論文を「報告書」から「研究」にする。
まとめ
- Discussionは「結果が何を意味するか」を解釈・考察するセクション、Conclusionは「論文全体で何を示したか」をまとめるセクション
- 最大の違い:DiscussionはResearch Question(問い)への回答、Conclusionは「So what?(だから何が言えるか)」への回答
- よくある失敗は「結果の繰り返し」で終わること——Discussionには自分の解釈・批判的分析・限界の指摘が必須
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